7月の米雇用統計が予想以上に好調で、景気減速観測を後退させる内容だったことから、米連邦準備制度理事会(FRB)が9月の会合で利上げペースを緩めるのは難しくなりそうだ。FRBは40年ぶりの高水準にあるインフレを抑えるため、経済活動と雇用にブレーキを掛けたいと考えている。だが、7月の雇用統計は米経済が依然として好調であることを示すものだった。このため、FRBは過熱した景気を冷やすには、さらなる大幅利上げに踏み切り、長期にわたり政策金利を高水準で維持する必要があると判断する可能性が高い。FRBは7月の連邦公開市場委員会(FOMC)で、6月に続き、1994年以来となる0.75ポイントの利上げを決めた。FRBのパウエル議長はFOMC後の記者会見で、「次回会合でも異例の追加利上げが適切となる可能性がある」としつつ、その判断は「今からその時までに得られるデータ次第だ」と述べた。
利上げペース減速期待に冷や水、米雇用はなお好調
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