ゼロゼロ融資で「ゾンビ企業」増加の実態、帝国データバンクが最新調査で解説倒産リスクが高いと言えるゾンビ企業に対する社会的関心が高まることは確実だ(写真はイメージです) Photo:PIXTA

長引くコロナ禍で大規模に執行されたゼロゼロ融資だが、返済期限を迎える企業数は来夏にもピークとなりそうだ。こうした中、今後の増加が懸念されるゾンビ企業の実態はどうなっているのか。帝国データバンクが最新調査を基に解説する。(帝国データバンク情報統括部 阿部成伸)

返済期限を迎える企業数は
来年6月頃がピークか

 コロナ禍で多数の中小企業が経営難に陥るなか、いわゆるゼロゼロ融資が大規模に執行されたことで、本来増えるはずの企業倒産が抑制され続けてきた。ゼロゼロ融資については、不測の事態に対応するため手元に資金を置くことを目的に受けるケースもあれば、すでに手元資金が枯渇し、仕入れ代金や家賃・給料などが支払えない深刻な状態で受けるケースもある。

 ゼロゼロ融資が執行された時期のピークは2020年6月前後で、返済期間までの据え置き期間については、都内の地域金融機関の話をまとめると3年以内で設定した中小企業が大多数を占めている。そのため、例えば据え置き期間を3年で設定した融資先が多い都内信用金庫の本部担当者は「来年の今頃、どれだけの融資先が予定通り返済できるのかが非常に気になる。倒産は増えると考えている」と話す。

 そうしたこともあり、今後増加が懸念されているのが「ゾンビ企業」だ。今回、帝国データバンクではそのゾンビ企業の実態はどのようになっているのか調査した。