安倍元首相銃撃事件が改めて浮き彫りにした「高等教育貧困国」日本の闇悲劇を繰り返さないために、政治は銃撃事件の背後にあるこの「闇」にも光を当て、大学進学を断念せざるを得ない若者の救済を急ぐべきだ(写真はイメージです) Photo:PIXTA

安倍元首相銃撃事件で
浮き彫りになったもう一つの「闇」

 安倍晋三元首相の銃撃事件を機に要人警備の在り方だけでなく、自民党と旧統一教会との持ちつ持たれつなどの政治と宗教の「闇」に焦点があたる。

 だが見過ごしてならないのは、山上徹也容疑者が経済的な事情により、大学進学を断念したと報じられていることだ。

 宗教にのめり込んだ母親の破産で人生をめちゃくちゃにされたという思い、大学進学断念という「闇」が凶行の動機の一端を占めていたようだ。

 先の参院選では、公明党や日本維新の会、立憲民主党などの多くの政党が大学教育費の無償化や思い切った負担軽減を公約に掲げ訴えていた。

 悲劇を繰り返さないために、政治は銃撃事件の背後にあるこの「闇」にも光を当て、大学進学を断念せざるを得ない若者の救済を急ぐべきだ。