みなさんは投資信託をご存知ですか? 投資信託は少ない資金で手軽に分散投資ができる優れた商品です。本来はとてもいい商品なのに、しくみがわかりづらかったり、不必要に手数料が高い商品が多く、ソンをしてしまう人もいるためか、多くの人にきちんと知られているとは言いづらい商品ともいえます。
しかし、将来のことを考えると、今、投資信託のしくみをきちんと理解しておくことは、とてもメリットがあります。この商品は、長い期間をかけてお金を育てていくのにピッタリ合っているため、早く始めて長く続けることがキモになるからです。
今回は、竹川美奈子さんの新著『一番やさしい!一番くわしい!はじめての「投資信託」入門』より、投資信託のしくみや、大切なポイントを5回にわたって一部を紹介します。
投資信託は「お弁当」のようなもの!?
投資信託というのは、私たち投資家からお金を少しずつ集めてひとまとまりにし、そのお金を運用の専門家が運用してくれるという金融商品です。1人ひとりが出すお金はそれほど多くなくても、まとまって数十億円、数百億円単位になれば、個人ではアクセスしにくい地域や国に投資したり、たくさんの株式や債券などに投資したりすることができます。
つまり、専門家が目利きをして、投資信託という「器」に株式や債券などを入れる「詰め合わせ(パッケージ)商品」なのです。株式に投資する投資信託であれば、投資の専門家が投資家から集めたお金を元手にして、数十社、多いものでは1000社以上の会社の株を購入します。お弁当箱にたくさんの会社が入った「株の詰め合わせ」と考えるとイメージしやすいかもしれませんね。
アップルやグーグルにも、手軽に投資できる
ですから、かりに先進国の株式に幅広く投資する「詰め合わせ」(投資信託)を購入すると、アメリカ、フランス、スイスといった国々の会社に投資をします。そして、投資信託を通して、アップルやグーグル、ダノン、ネスレといった会社に自分のお金が投資されるわけです。
わずかな金額であっても、投資信託を買うことを通して、日本はもとより、世界の優良企業の成長の恩恵にあずかるのです。その優良企業の株価があがったり、配当といって利益の一部を企業が投資家に還元したりすれば、その投資した金額に見合った割合でリターンを得られます。
しかし、自分でアップルやグーグルの株を買おう!と思ったら、まずその株を買えるだけの資金を用意したり、専用の口座を開いたり…とお金も手間もかかります。それが、投資信託というツール(道具)を使えば、何億円もの資産を持つ富裕層でなくても、日本にいながらにして気軽に世界各国の株式に投資することができるようになっています。