中国の半導体最大手は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による追い風を受け、数年間好調だった。現在、同社は2つの大きな問題への対応を迫られている。その問題とは、しぼむ需要と地政学的リスクの高まりだ。中国の半導体受託製造大手である中芯国際集成電路製造(SMIC)は12日、4-6月期の売上高の伸びが鈍化したことを明らかにし、今後の半導体生産が低迷する見通しを示した。SMICによると、4-6月期の売上高は前四半期比3.3%増。7-9月期はさらに0~2%に減速するとみられている。同社はここ2~3年の半導体不足で大きな恩恵を受けてきた。4-6月期の売上高は、2019年同期比で2倍以上だ。SMICの趙海軍共同最高経営責任者(CEO)は12日、業界は在庫調整の局面に入っており、スマートフォンメーカーなど一部の顧客ではパニックが生じていると述べた。業界のサプライチェーン(供給網)の一部では売り上げにブレーキがかかっているところもある。在庫が高水準となっているため、顧客が突然注文をキャンセルしているからだ。SMICは、こうした景気循環的な調整が少なくとも2023年上半期まで続くとみている。