インターネット上に書かれていることがどれも正しいとは限らない。例えば、グーグル検索でヒットした100万件を超えるサイト、数千本の記事、数十の書籍や投資レターは、偉大なる経済学者ジョン・メイナード・ケインズが「市場は時として投資家が耐えられる以上に不合理であり続ける」と語ったと、証拠もなく述べている。36年前に実際にそれを言ったのは、「陰気な科学(経済学)」に精通する米金融業界のベテラン、ゲーリー・シリング氏(85)で、ケインズと異なり、ご存命だ。シリング氏は最近の株価反発の合理性について、いくつか見解を持っている。足元では、最も穏やかな弱気相場の後、最も打撃を受けた企業(その多くはなお赤字)が過去8週間の株価回復を主導している。シリング氏は合理的との見方に懐疑的で、株式が「ピューク・ポイント」、すなわち持続可能な反発の基礎となる絶望の段階に一度も達しなかったと述べている。