コロナ,入院写真はイメージです Photo:123RF

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)入院患者を対象とする前向き研究の結果、退院後も心機能の低下や凝固系の活性化、メンタルヘルス状態の悪化などを含め、多くの機能異常や症状が持続していることが明らかになった。英グラスゴー大学のAndrew J. Morrow氏らの研究によるもので、詳細は「Nature Medicine」に5月23日掲載された。

 COVID-19の急性期以降にさまざまな症状が長期間続くことに関しては既に多くの報告があり、「long COVID」や「post COVID症候群」などと呼ばれている。しかし、それらの研究報告の大半は後ろ向きに検討された結果であり、検査値異常や症状の有無・程度の網羅的な評価がなされていない。これを背景にMorrow氏らは、COVID-19入院患者を対象として、long COVIDの経過を前向きに検討する研究を実施。評価項目には、複数回の血液検査、心電図検査、患者からの報告、冠動脈造影を伴う胸部CT検査、腹部MRI検査などを含め、可及的に詳細な検討を加えた。