2015年の発売以降、今でも多くの人に読まれ続けている『ありがとうの神様』。本書は、小林正観さんの40年間に及ぶ研究のなかで、いちばん伝えたかったことをまとめた「ベスト・メッセージ集」だ。あらゆる悩みを解決する「ありがとう」の秘訣が1冊にまとめられていて、読者からの大きな反響を呼んでいる。この連載では、本書のエッセンスの一部をお伝えしていく。

【苦しみがスッと軽くなる】3秒でどんな悩みも解決する方法Photo: Adobe Stock

「色」が奪われた出来事

 私は、30歳のときに結婚しました。子どもを授かったのは、33歳のとき。ようやく授かった子どもに、「よろこび」を表す「慶」のつく名前を用意して、待っていました。

 生まれてきた子どもは、「知的障害児」でした。

 医師から、「手術をしても、薬を飲んでも、リハビリをしても治りません」と宣言をされたあと、私の視力から、「色」が奪われました。その医師を含む部屋中の風景が、モノクロになっていたのです。白黒だけの世界です。

 それから半年間は、視力がモノクロのため、季節感もなくなり、花の色、緑の色、木の肌の色、人の顔色もまったくわかりません。窓の外を眺めても、晴れているのか、曇りなのか、雨なのか、見ただけではわからないのです。

 当時の私は、苦しみの中にいました。悩んでいました。なぜなら、子どもに障害があるという事実を「受け入れることができなかった」からです。

悩み・苦しみとは、そもそも何なのか?

「慶子」が生まれて半年ほどたったある日、私が目にした新聞記事のひとつに、次のようなことが書いてありました。

「新生児の600人に1人は、障害を持って生まれる。ということは、将来、自分の子どもが障害児として生まれてくる可能性がある。そのときのための心構えを持っていたほうがよい」

 私は、この短いコラムを読み終えたあと、こう思いました。

「慶子ちゃん、うちに生まれてきてよかったね。600人に1人、障害児として生まれてくるのであれば、慶子ちゃんは、どこかの家を選んで必ず生まれなければならなかった。そのときに、小林家の両親を選んだというのは、ものすごくよい選択をしたと思う。私は障害がある子をいじめたりしないし、私の妻もやさしい人だから、差別をしたりはしない。慶子ちゃんは、そういう両親を選んで生まれてきたんだね」

 そう思った瞬間、失っていた視力の「色」が戻りました。風景に色が付いたのです。

 私自身が「障害」や「障壁だ」と思っていた大きな悩みは、「私の認識だけの問題」でした。「慶子ちゃん、よかったね」と受け入れた瞬間に、その問題は消滅したのです。

 生まれてからわずか半年後に、慶子は私に大きなことを教えてくれました。

「悩み・苦しみは、目の前の現象を否定し、受け入れないところから生じている」

「3秒」で、どんな悩みでも解決する方法

 私たちが、目の前に起きている現象を受け入れれば、悩みも、苦しみも、存在しません。私自身が慶子に対して、「この子はこれでいい。この子はこれで十分に幸せではないか」と受け入れた(感謝した)瞬間、私の悩みはなくなりました。

 どんな悩みも消し去る「3秒」の方法があります。その方法とは、

・1秒目……過去のすべてを受け入れること
・2秒目……現在のすべてを受け入れること
・3秒目……未来のすべてを受け入れること

 これで終わりです。

 自分に起きたことやこれから起きることは、すべて自分が成長するために必要だと思うこと。目の前の状況を受け入れれば(感謝できれば)、悩みも苦しみもなくなって、ラクに生きることができるでしょう。