世界は「新たなインフレ時代」に入るのか
IMFの世界見通し、22年には8.3%
世界規模で物価の高騰が続いている。
IMF(国際通貨基金)の世界経済見通し(2022年7月)によると、世界の消費者物価上昇率は、2020年の前年比+3.2%から21年に+4.7%、そして22年には+8.3%まで急加速する見通しだ。
世界は新たなインフレの時代、あるいは景気悪化と物価高騰とが併存するスタグフレーションの時代に入ってしまうのだろうか。
今後の物価動向は、ウクライナ戦争が長期化しエネルギーや穀物価格などのコストプッシュ型インフレへの対応が重要だが、主要国の中央銀行などが利上げや通貨引き上げを競うかのような状況を考えると、来年にかけて景気減速という犠牲を払う形で、世界が物価安定を取り戻すきっかけをつかむシナリオが現実的だ。
そうなれば、「新たなインフレの時代」は危惧に終わるが、景気が減速で済むのか、後退まで進み不況に陥るのかは、現状では見通せない。