投資ファンドのストラテジックキャピタル代表でアクティビストとして知られる丸木強氏は、IRジャパンを資本市場の「寄生虫」と表現する。その真意は何か。特集『インサイダー IRジャパンの凋落』(全7回)の#6で、IRジャパンが「会社の株主価値を向上させるアドバイス」を行っていないと断罪した丸木氏のインタビューをお届けする。(ダイヤモンド編集部副編集長 重石岳史)
「IRジャパンのフィーは本当に高い」
経営者は保身のために無駄金を使うな!
――アイ・アールジャパン(以下IRジャパン)のビジネスモデルについてどう考えていますか。
僕はセミナーや講演で彼らを「寄生虫」と呼んでいる。
――その真意は。
IRジャパンだけを指しているわけではありませんが、アクティビストが株主になったり、敵対的買収を仕掛けられたりした会社のアドバイザーとして、IRジャパンや一部の投資銀行、弁護士が付くケースがある。
彼らが会社の株主価値を向上させるアドバイスをすればいい。しかし彼らは現経営者を守るためのアドバイスを行うわけです。そこに僕は問題意識を持っている。
われわれは常に株主価値が上がるような具体的な提案を行っている。当然、無償です。株価が上がればリターンを得られるのでフィーは取らない。
ところがIRジャパンのフィーは本当に高い。株主から見れば、経営者が自分の地位保全のために会社の資産を無駄に使っているわけだから、とんでもない話なんです。そんなアドバイザーに金を払うのは善管注意義務違反の可能性すらあると思っている。
――IRジャパンがアドバイザーに付いた会社の価値は上がっていると思いますか。