アクティビスト 日本襲来!#05
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特集「アクティビスト日本襲来」(全12回)では、これまで国内外の物言う株主が日本企業に迫る様子を見てきた。では、実際にアクティビストの標的となりやすいのはどういった企業なのか。#5では、ダイヤモンド編集部の独自試算で「狙われやすい企業ランキング」を作成した。有力アクティビストの主な保有銘柄リストも併せて紹介する。(ダイヤモンド編集部 清水理裕、田上貴大)

全上場企業の関係者必見!
アクティビストが次に狙う企業はここだ

 アクティビストファンドの次の標的はどのような企業なのか。全上場企業の経営陣や従業員、取引先にとって、このテーマは一大関心事となっている。

 そこでダイヤモンド編集部は、前期までの過去3期分の決算データと今期の業績予想を基に、複数の角度から「アクティビストに狙われやすい企業ランキング」を作成した。

 まず、全ての上場企業を六つの指標でふるいにかけて、アクティビストに狙われやすい特徴を持った企業を選別した。

(1)時価総額 50億円以上

 ファンドは通常、数百億円から数千億円規模で運用されるため、プロの投資家にとって小さ過ぎる企業は投資対象にしづらい。小さい企業でも調査の手間やコストはそれなりにかかる一方、投資できる金額が限定されるので効率が悪いからだ。

 アクティビストに狙われるには一定程度の時価総額が必要であるとの観点から、11月8日時点の株価(終値)をベースに時価総額が50億円以上の企業に絞り込んだ。

(2)金融資産比率 20%以上
(3)自己資本比率 20%以上
(4)ネットキャッシュがプラス

 アクティビストの提案のうち、昔からあるオーソドックスな手法が株主還元の強化策だ。ため込んだ資金を増配として吐き出させたり、多額の自社株買いをさせたりすることで短期的に株価を上げることができる。

 そのための資金的な余地がどれくらいあるかを判別するため、総資産のうち現預金や有価証券といった金融資産が占める比率と、財務の健全性を示す自己資本比率が高い企業を選んだ。現預金と有価証券の合計金額から有利子負債を差し引いた「ネットキャッシュ」がプラスであることも、条件に加えた。

(5)外国人持ち株比率 10%以上
(6)機関投資家持ち株比率 20%以上

 アクティビストの投資手法が変わりつつある。自ら大株主となって直接影響力を行使するスタイルから、持ち株比率は一定程度にとどめ、利にさとい外国人投資家や、資産運用会社などの機関投資家といった、自分以外の株主を巻き込むかたちへと変遷している。つまり、アクティビストにとって、株主提案をしたときに賛同を得られやすいかどうかが重要なポイントになってきている。

 そこで、純投資が目的で株価上昇につながる提案を歓迎する外国人投資家や、議決権行使の結果を明確化することが求められるようになった機関投資家の持ち株比率が、それぞれ高い企業はアクティビストのターゲットになりやすいと考え指標に加えた。

 これら六つの指標で選び抜かれた企業から、ランキングを作成する上で必要なデータを開示していない企業を除外すると、369社が残った。この中で、「業績面」と「財務面」においてそれぞれ狙われやすい企業と、その他の指標も併せて「総合的」に狙われやすい企業をランキングした。