鉄道の廃線跡を利用した太陽光自転車道路も

 2019年には牙山(アサン)市の廃線跡を活用した韓国最大の太陽光自転車道路も開通された。自転車道10.2kmのうち、太陽光発電設備の設置区間が7.5kmあり、そこには屋根平面据置型太陽光パネル1万8540個が設置されている。年間の発電量は866メガワットで、これは2万2774世帯が使用できる電気量となるそうだ。

 このほかにも、韓国の緑色連合という環境団体は、南海高速道路(木浦―釜山/273.6km)と京釜―湖南線鉄道(ソウルー木浦/418km)の両区間をモデルに、太陽光発電施設の適地選定を進めようとしている。

 このように韓国では、道路・鉄道遊休敷地を活用した再生エネルギー設備が増えつつある。山の斜面を切り開くよりも、敷地の購入費問題、地域住民の反対問題のハードルが低いからだ。

太陽光自転車道路のメリット

 韓国の太陽光自転車道路賛成派の主張は、次の通りだ。

・化石燃料を使用しないからCO2が発生しない
・核燃料を使用しないから、放射能に悩まされたり使用済み核燃料の処分に困ったりすることがない
・管理や清掃に必要な人材を全国で採用するから雇用が増える
・太陽光先進国になれば他国に輸出できる
・役目を終えた太陽光パネルはほとんどが再利用できる
・太陽光自転車道路が増加すれば、紫外線をブロックできるから皮膚がんの発生率を低下させられる

 こうした太陽光自転車道路賛成派の主張が全て実現可能だとすれば、山を切り崩して設置する太陽光発電施設よりも道路に設置する方が理にかなっている。