ニュースで見聞きした国、オリンピックやW杯に出場した国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。大人の教養として世界の国々を知ろうと思った時におすすめ1冊が、新刊『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)だ。世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。本書から特別に一部を抜粋して紹介する。
フィンランドはどんな国?
フィンランドはスカンディナビア半島の最も東の国で、ロシアと接しています。「森と湖の国」として知られ、国土における森林の割合は世界第1位で、湖は約18.8万個もあります。
「ムーミン」シリーズの生みの親、トーベ・ヤンソンは首都ヘルシンキ生まれで、ムーミン谷の世界は、フィンランドの自然から着想を得たものです。
北部ラップランド地方のロバニエミ市にあるサンタクロース村では、サンタクロースが世界中の子どもたちに手紙を書いています。
30代の首相サンナ・マリンをはじめ、女性が政界で活躍
女性の社会進出が進んだ国で、2019年に当時34歳のサンナ・マリンが世界最年少の首相になりました。フィンランドの女性首相は彼女が3人目で、閣僚の半数以上を女性が占めるなど、政界で女性が活躍しています。
かつては製紙・パルプなどの木材関連と金属が主要産業でしたが、1990年代後半から通信機器のグローバル企業ノキアに代表される先端技術産業が経済の中核をなすようになりました。
生活水準は高く、国連が発表する世界幸福度ランキングで2018年から4年連続で第1位を獲得。社会保障制度が充実し、なかでも子育て支援が手厚い国です。
妊娠補助金、母親手当、父親手当、両親手当、児童手当のほか、ネウボラと呼ばれる地域の拠点では、妊娠期から就学前までの子どもと家族が、助産師や保健師の支援を受けられます。
フィンランド共和国
面積:33.8万㎢ 首都:ヘルシンキ
人口:558.7万 通貨:ユーロ
言語:フィンランド語(公用語)、スウェーデン語(公用語)、ロシア語など
宗教:福音ルーテル派67.8%
隣接:スウェーデン、ノルウェー、ロシア
(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIAのThe World Factbook(2022年2月時点)を参照
(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)