ニュースで見聞きした国、オリンピックやW杯に出場した国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。
ボツワナってどんな国?
ボツワナはアフリカ南部に位置する内陸国です。ザンビア、ナミビア、ジンバブエ、南アフリカと国境を接します。
1966年の独立以来、クーデターや内戦はなく、政情がたいへん安定しています。政党も複数あり、民主的な政治が行われています。
多様な動物が生息する「オカバンゴ」
国土の約6分の1が手つかずのまま、自然保護区に指定されていて、象の生息数は世界一といわれています。
北部には、世界最大の内陸デルタで知られるオカバンゴ湿地帯が広がり、さまざまな大型の野生生物も生息し、エコツーリズムが行われています。
乾燥しているボツワナでは水がとても貴重で、この地域から灌漑用水を引く計画が立てられたこともありましたが、自然保護を優先して中止されました。
北東部にはマカディカディ塩湖という世界最大の塩湖の一つがあり、乾季には大地が真っ白になります。治安が良く、世界各国から観光客や研究者が訪れています。
1967年にダイヤモンドが見つかりました。世界第3位の生産量を誇り、しかも品質が良く、その輸出額は国の輸出総額の約9割を占めています。
それによって経済が急激に発展し、一人当たりのGDPが高く、今では「中所得国」に分類され、「アフリカの優等生」といわれています。
しかし、その恩恵をすべての国民が受けているわけではありませんし、ダイヤモンドの埋蔵量は多くないことが心配されています。
ボツワナ共和国
面積:58.2万㎢ 首都:ハボローネ
人口:235.1万 通貨:プラ
言語:ツワナ語(国語)、英語(公用語)、カランガ語など
宗教:キリスト教79.1%、無宗教15.2%
隣接:ザンビア、ナミビア、ジンバブエ、南アフリカ
(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照
(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)