ニュースで見聞きした国、オリンピックやW杯に出場した国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。

「ブルガリアってどんな国?」2分で学ぶ国際社会Photo: Adobe Stock

ブルガリアってどんな国?

 ブルガリアは、バルカン半島東部に位置する東ヨーロッパの国で、東部は黒海に面しています。

 トルコバルカン諸国に接し、宗教の多数派はキリスト教正教会ですが、イスラームを信仰する国民もおり、人口の1割がトルコ人です。

 国土の中央をスターラ山脈が走り、その北側はルーマニアとの国境をなすドナウ川沿いの平野、南側にはトラキア平原が広がります。南部は地中海性気候の影響で、夏は気温が高く乾燥しますが、北部では夏の降水量が多くなります。

 14世紀末からオスマン帝国に支配され、20世紀はじめに独立しました。

 第二次世界大戦では枢軸国側で参戦し、戦後は旧ソ連の占領を受け、1946年にソ連の影響下で社会主義体制の国に移行しました。

 1989年の共産党政権崩壊以降、改革が進みました。経済改革では困難な時期もありましたが、2000年代にNATOとEUに加盟し、現在はEUとの貿易関係が順調に進み安定しています。

 欧米や日本との関係とともにロシアやバルカン諸国との関係も重視する外交方針をもっています。

世界最大のローズオイル生産

 穀物類のほか、果実やタバコ、ヒマワリ等の農業生産が多く、石炭や石油、鉱物等の資源開発も重要な産業です。

 近年は、周辺諸国と同様に外国企業の進出も増えています。

 キリル文字やヨーグルトの発祥地とされ、世界のローズオイル(香水用バラ)の約7割を生産しています。

「ブルガリアってどんな国?」2分で学ぶ国際社会Photo: Adobe Stock

ブルガリア共和国

面積:11.1万㎢ 首都:ソフィア
人口:691.9万 通貨:レフ
言語:ブルガリア語(公用語)、トルコ語、ロマニ語
宗教:東方正教会59.4%
隣接:ルーマニアトルコ、ギリシャ、北マケドニアセルビア

(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照

(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)