ニュースで見聞きした国、オリンピックやW杯に出場した国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。
エチオピアってどんな国?
エチオピアは、アフリカ北東部、アビシニア高原に位置する内陸国です。エリトリア、ジブチ、ソマリア、ケニア、南スーダン、スーダンと国境を接しています。
アフリカでは、ナイジェリアに次ぐ人口規模を持つ大国で、55の国と地域が加盟するアフリカ連合の本部は、首都アディスアベバに置かれています。
世界最古の独立国
伝説によれば、紀元前10世紀頃、古代イスラエル王であるソロモン王とシバの女王の息子であるメネリク1世が統治したのが、この国の始まりといわれています。
歴史的に確認できる国家は紀元前5世紀頃に建国されたアクスム王国です。
1936年~41年に一時イタリアに併合されましたが、それ以外は独立を維持してきました。
ラリベラの岩窟教会群、コーヒー発祥の地
キリスト教を信仰する人が多いというのも、エチオピアの特徴です。4世紀頃からキリスト教が広まっており、独自に発展しました。12世紀から13世紀に建造されたと推測されるラリベラの岩窟教会群は世界遺産にもなっています。
またコーヒーの発祥地ともいわれています。伝説では、ヤギ飼いの少年カルディが、ヤギがコーヒー豆を食べると飛び跳ねることに気づいたのが始まりといわれています。
スポーツ界では、1964年東京オリンピック金メダリストのアベベ選手など、陸上長距離で多くの世界的な選手を輩出しています。
エチオピア連邦民主共和国
面積:110.4万㎢ 首都:アディスアベバ
人口:1億1087.1万 通貨:ブル
言語:アムハラ語(公用語)、英語、オロモ語など
宗教:エチオピア正教会43.8%、イスラーム31.3%、プロテスタント22.8%
隣接:エリトリア、ジブチ、ソマリア、ケニア、南スーダン、スーダン
(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照
(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)