国葬の必然性や法的根拠
国会説明でも曖昧なまま
安倍晋三元首相の国葬について世論の賛否が分かれ、むしろ批判的な声が強まる中、岸田文雄首相は8日、国会の閉会中審査に自ら出席、国葬実施への理解を求めた。
だが説明は、法的根拠にせよ、費用の総額にせよ、なぜ内閣・自民党合同葬でダメなのかにせよ、これまでの繰り返しが多く、説得力があったとは到底思えない。
とはいえ、どんなに反対の声が広がっても、国葬の実施形式が変更されたり中止されたりすることはなさそうだ。
この間の国葬をめぐる岸田政権の混乱と迷走をどう考えればよいのか。
「世間」と「社会」という二つの人間関係を峻別する「世間学」の視点から、この問題を読み解くと、権力基盤の保持のため仲間ウチに「気を使う」という、日本独自の「世間のルール」が発動されていることが見えてくる。