「国葬強行」スタンスに嫌な予感
「なんで2億が16億に膨れ上がるんだ、これじゃぼったくりにあったみたいじゃないか!」
賛否両論で絶賛炎上中の「国葬問題」に、またしても新たな“燃料”が投下されてしまった。
安倍晋三元首相の国葬に関する費用について、政府はこれまで会場設営費として約2億5000万円を閣議決定していたのだが、ここにきてさらに警備費が約8億、外国要人の接遇費が約6億かかるとして、総額で約16億6000万円の概算になると公表したのだ。
もちろん、2019年の皇位継承式典の関係費として74億1000万円もの支出があったことを踏まえれば、これっぽちで済むワケがない。さまざまなメディアが国葬のコストを試算しているが、最終的には30億あたりに落ち着くのではないかという見方が強い。
……という話を聞くと、「これはカネの問題じゃない!国家として当たり前のことだ」「安倍さんの死を悼むVIPが世界中から集まって弔問外交できるなら30億でも安いものだ」と怒る人も多いが、吉田茂氏以降、歴代首相は国葬ゼロだが、国家としてなんの不都合もなかった。
また、弔問外交うんぬんを主張する人もいるが、バイデン米大統領をはじめマクロン仏大統領、メルケル前独大統領という西側諸国の要人は欠席を表明しており、安倍元首相の盟友・トランプ氏まで来ない。実は「世界」からすれば、元首相の葬儀が国葬か否かなんてことに関心はないし、是が非でも弔問外交をしたいわけではないのだ。
このような政府の強行開催スタンスや推進派の皆さんの「強引な主張」を見ていると、筆者には嫌な予感しかしない。「ゴリ押し開催後に不正発覚」という「東京2020」と同じパターンをたどっているからだ。