そこには、『わが国では、「目標」という言葉が、一定の物価上昇率と関係付けて機械的に金融政策を運営することと同義に使われることも少なくありません。このため、日本銀行では、そうした誤解を招くことなく、日本銀行の目指す物価上昇率を表す日本語として、「中長期的な物価安定の目途」という言葉を使っています』と、国民が誤解しているという上から目線の答えが書かれている。早く書き直すべきだ。

 目標であれば、達成期限があるはずだが、今回は「できるだけ早期に実現することを目指す」とされているだけで、具体的な期限が書かれていない。民主党時代には「中長期」という書きぶりで、今回は一時「中期」とされると言われていたが、それよりは一歩前進であるものの、野田前首相の「近いうち解散」と同じような話だ。経済財政諮問会議で定期的に検証するが、インフレ目標が有している透明性が損なわれている。

どうして買い入れ基金残高の
増加額が減ってしまうのか

 実のところ、この点は「期限を定めない資産買入れ方式」の導入にも大いに関係しているので、現状に即して具体的に問題点を指摘しよう。

 マスコミでは無制限買い入れなどと報じているが、今回の措置に書いてあるのは、それとは逆にまったくシャビーな措置だ。2013年までは現行の基金の買い入が継続されるが、2014年から月間買い入れ額は13兆円程度になるという。ポイントは基金残高がどの程度増えるかであるが、2013年は36兆円増加するものの、2014年では10兆円程度となる。ちなみに基金とは金融緩和のために、日銀が設けている「資産買入等の基金」のことだ。

 金融緩和はマネタリーベースの増加で見るが、基金残高増がそのままマネタリーベース増になるとは限らず、これまでの日銀のオペレーションでは必ずしも基金残高増がマネタリーベース増になっていなかった。

 こうした過去があるにもかかわらず、今のペースより基金残高増のペースが減るのでは、金融緩和がそれほど強化されないと読むのが自然だ。