写真:岸田文雄首相自民党岸田派の研修会であいさつする岸田文雄首相(同党総裁) Photo:JIJI

岸田政権が旧統一教会問題で泥沼にはまっている。今後、自民党の選挙候補者たちは、旧統一教会やその関連団体との関係が一切ないことを書類で誓約しなくてはいけないだろう。ビジネスパーソンなら一つの類似例を思い浮かべるのではないか。そう、取引先などが反社会的勢力との関係がないことを確かめる、通称「反社チェック」だ。(経済評論家、楽天証券経済研究所客員研究員 山崎 元)

自民党が「旧統一教会問題」で
調査結果を公表、今後の方針は?

 旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)と政治家の問題が収まりそうにない。先般自由民主党は、議員の自己申告に基づいて旧統一教会と関係があった議員について発表した。調査は、衆参両院379人の国会議員に対して行われ、公表によると179人の議員が同教団およびその関連団体と過去に何らかの関係を持っていたという。

 関係の内訳は、旧統一教会が主催する会合に議員本人が出席したケースが10人、関連団体の会合で議員本人が出席し、あいさつしたのが96人、講演したのが20人となっている。

 報道によると党幹部の間で意見の相違を調整したようだが、氏名が公表されたのは121人だった。その結果、メディアに対しては「あとの約60人は誰なのか?」という謎解き的なネタ探しの余地を残すものとなった。

 相変わらず党が発表や処分の責任を持つのではなく、個々の議員に報告と今後の事態への責任を丸投げする、「組織としてグズグズ」の形を取っている。そのため、問題は個々の議員単位でくすぶり続けることになる。