開成・桜蔭・筑波大駒場・渋谷幕張…。東京・吉祥寺を中心に都内に展開している進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないのに有名難関校に続々合格させると話題の塾だ。男女別カリキュラムを取り入れたロジカルで科学的な学習法は、特にエリート父親層から圧倒的な支持を集めている。本連載では話題の新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』を上梓したVAMOSの代表・富永雄輔氏に、保護者からよく聞かれる質問とその回答を教えてもらった。

【中学受験に役立つ】プログラミング教育の必修化、その本当の狙いとは?Photo: Adobe Stock
Q. プログラミング教育が必修化されました。どれくらいプログラミング教育に力を入れるべきでしょうか?

 まず、「プログラミング」を「プログラミング」という枠の中だけでとらえないことが重要です。

 各科目は完全に独立したものではなく、つながっている部分があります。社会や理科の試験問題が長文化してきていますが、社会や理科でも国語力、読む力が問われているわけです。

 実際に、算数の試験問題で、ものすごくプログラミング的な要素を出してきている学校が増えています。

 プログラミング教育で得られる能力を具体的に言えば、「仮説思考」です。

「こう書いたら、こう動くはず」という仮説の検証がすぐできるのがプログラミングの良さです。トライ&エラーを繰り返せば、「仮説を立てる能力」は高まります。

 算数的な思考の最たるものが仮説思考なので、プログラミングは表面上は算数という科目ではないけれども、実質的に算数の中に含まれるものと言えるでしょう。

 より正確に言えば、「算数の思考力の問題にプログラミングの要素が入ってるものが増えている」という言い方になります。

「プログラミングって算数なんだよ」ということを親御さんには知ってもらいたいですし、子どももその認識があったほうがプログラミングへのモチベーションが高まるでしょう。

 加えて、保護者の皆さんに理解してもらいたいのは、PythonとかC言語、C+言語を覚えることは受験には必要ないということです。

 小学生の段階のプログラミング教育には、コンピュータ言語の処理というのはありません。

 あくまでも、トライ&エラーの仮説思考をプログラミングを通して身につけようということです。キーボードをたたいてPythonを使いこなすみたいなことは一切求められていません。