マツキヨココカラが6割超の大幅増収、それでも絶好調とは言えないワケPhoto:Diamond

コロナ禍だけでなく、円安や資材高の影響も相まって、多くの業界や企業のビジネスは混乱状態にある。その状況下でも、苦境を打破できた企業とそうでない企業との間で勝敗が分かれている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はウエルシアホールディングス、ツルハホールディングスなどの「ドラッグストア」業界4社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)

マツキヨココカラが
前年同期比6割超の大幅増収

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は、以下のドラッグストア業界4社。対象期間は22年2~6月の直近四半期(ウエルシアホールディングス、ツルハホールディングスは22年3月~5月期、残りの2社は22年4~6月期)としている。

 各社の増収率は以下の通りだった。

・ウエルシアホールディングス
 増収率:7.6%(四半期の売上高2677億円)
・ツルハホールディングス
 増収率:マイナス4.9%(四半期の売上高2238億円)
・マツキヨココカラ&カンパニー(旧マツモトキヨシホールディングス)
 増収率:65.3%(四半期の売上高2272億円)
・サンドラッグ
 増収率:1.4%(四半期の売上高1665億円)

※ウエルシアホールディングス、ツルハホールディングスは収益認識に関する会計方針の変更を行っているが、各社の開示方法に準じて、前年同期の売上高と増収率には同変更を遡及適応していない。マツキヨココカラ&カンパニーは、収益認識に関する会計方針の変更を行ったため、同社の開示方法に準じて、前年同期の売上高に同変更を遡及適応している。
※スギホールディングスは、収益認識に関する会計方針の変更を行って前年同期比増収率の算出ができないため、今回は対象から除外した。

 ドラッグストア業界の主要4社では、ツルハホールディングスのみが前年同期比で減収、その他の4社は増収となった。特にマツキヨココカラ&カンパニーは6割を超える大幅増収だ。絶好調に見える数字だが、そうとも言い切れないカラクリがある。

 次ページで詳しく解説する。