EV電池リサイクル企業にマネー殺到 米インフレ抑制法も追い風アセンド・エレメンツなどのリサイクル企業は、電池を分解して、重要な金属を高濃度に含む粉末「ブラックマス」にする

 世界の大手自動車メーカーが、電気自動車(EV)の製造に必要な金属を確保するため、使用済み電池のリサイクルに目を向けている。最近特に注目されているのは、米「インフレ抑制法」が追い風になるという米スタートアップ企業だ。

 英高級車メーカーのジャガー・ランドローバーや韓国の電池大手SKイノベーションなどから3億ドル(約429億円)余りを集めたのは、米南東部における電池生産の新たな拠点となることを目指すスタートアップのアセンド・エレメンツだ。同社は、使用済みのリチウムイオン電池を効率的に別の成分に変える技術を持っているという。クリーンエネルギー分野に注力するベンチャーキャピタルのフィフス・ウォールも出資に加わった。

 今回の資金調達は株式と負債を組み合わせたもので、アセンドの企業価値は5億ドル以上と評価された。