「手放し、効率化し、超集中」するための全技法とは!?
レコード会社時代はヒットメーカーとして、ミリオンヒットを10回記録するなどトレンドの最先端を疾走。音楽プロデューサーとして絶好調の39歳の時に退社して、ニュージーランドに移住。現地の湖畔で、環境負荷を最小限に抑える自給自足ライフを営みながら、世界を旅しながら働く移動生活を送り、グローバルノマドの第一人者と称される四角大輔氏。
彼のベストセラー『自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと』は、次世代のミニマリストのバイブルにもなった。
この連載では、四角氏のあたらしい著書『超ミニマル主義』の中から、「サイフ」「カバン」「書類」「名刺」「ウェア」「シューズ」「仕事机」「デバイス」「部屋」といった物質、「情報」「データ」「スケジュール」「タスク」「労働時間」「ストレス」「人付き合い」といった非物質を、極限まで「最小・最軽量化」する方法を紹介していきます。自分の可能性を「最大限=マックス」に引き出す方法と、持続的な成果を出し続けてサステナブルに働くための技術も公開いたします。
自分の持ちモノをグラム単位で減らしていくと、最初の一歩が格段に早くなる。
ミニマル化の効果を一番わかりやすく実感できるのは、持ちモノを徹底的に軽くした時だ。
自分の持ちモノをグラム単位で減らしていくと、1日の疲れは全く違ったものになる。
フットワークが軽くなり、最初の一歩が格段に早くなる。
手ぶら出勤のマストアイテム
最小限の持ちモノを3つ挙げろと言われたら、おそらく①スマホ、②鍵、③サイフだろう。
公私関係なく肌身離さず持っているものだけに、しっかり軽量化しよう。
「生活が整って初めて、いい仕事ができる」という、本連載の絶対ルールを実践する第一歩だと思っていただきたい。
これら「ミニマムキット」さえあれば、いつでも手ぶらで飛び出すことができる。
手ぶらこそが、ビジネスパーソンにとっての“最小・最軽量モード”だからだ。
ぼくの手ぶらモード、最強10アイテム
ちなみに、ぼくの手ぶらモードは次の10アイテム。
②小型スマホ(133g)…これぞ無数の機能が備わる「究極のマルチツール」だ
③軽量薄型ワイヤレスバッテリー(80g)…スマホ背面にマグネット装着でき、充電器につなぐとパススルー充電(スマホとバッテリーの同時充電)が可能
④軽量Bluetoothイヤフォン(14g)…生活防水、高性能マイク付き
⑤家の鍵(8g)
⑥マルチツール(22g)…30年以上愛用する7つの機能を持つ万能ギア。マルチ機能とパッカブルの極み
⑦超小型LEDライト(4g)…連続点灯15時間で世界最軽量クラス
⑧ホイッスルペン(9g)…ボールペンと、緊急時に活躍する笛とが一つに。マルチ機能でパッカブル、耐久性も高い
⑨極小カラビナ(1g)…世界最小&最軽量クラス
⑩軽量ハンカチ(11g)…100%天然素材で速乾性も高く、吸水性も肌触りも良し。薄く小さくたためる
合計わずか299g。りんご1個程度の軽さだ。
筆者の例は、あくまで参考程度にしてもらいつつ、ぜひあなたの「手ぶらシステム」を確立してもらいたい。
女性はポケットがない服が多いので、自分なりのミニマムキットを手のひらサイズの軽量ポーチに入れて、バッグの一番取り出しやすい場所に忍ばせておくといい。そのポーチに紐が付いていて、外出時に肩から斜め掛けできる仕様なら完璧だ。
手ぶらモードのメリット
数秒で外出できるからフットワークが軽くなる。超身軽なので、ランチや用事でオフィスを出る時も気分爽快。
例えば、重大なトラブルでお詫びにいかなくてはならない時、これはかなりのアドバンテージだ。
お詫びはスピードが命。手ぶらだから本気で走れる。
手ぶら&ダッシュで駆けつけることで、相手には「謝るためだけにきた=誠意」が伝わりやすくなる。
会社員時代、この“手ぶら光速外出”でいくつもの難局を乗り越えた。「君、ワープでもしてきたの?」なんて言われたらもう大丈夫。この時点でトラブルの半分近くは解決できたようなもの。
トラブルの原因の多くを占めるのは「感情」だからだ。
思い切って「手ぶら出勤」に挑戦しよう。
思い切って「手ぶら出勤」に挑戦しよう。
まずは一度、小さな冒険だと思ってやってみる。
「手ぶらでオフィスへ」「手ぶらのアフターファイブ」と考えるだけでワクワクしてこないだろうか。
スケジュールとにらめっこして、「明日いけそう」という時、前日は会社に荷物を置いて帰宅すればいい。
実際、筆者は会社員時代、週の半分は手ぶら出勤していた。
まずは小さなところから物理的に身軽になってみる。そうやって自分を解き放ち、行動力をアップさせてほしいんだ。
『超ミニマル主義』では、「手放し、効率化し、超集中」するための全技法を紹介しています。ぜひチェックしてみてください。
(本原稿は、四角大輔著『超ミニマル主義』から一部抜粋したものです)
執筆家・環境保護アンバサダー
1970年、大阪の外れで生まれ、自然児として育つ。91年、獨協大学英語科入学後、バックパッキング登山とバンライフの虜になる。95年、ひどい赤面症のままソニーミュージック入社。社会性も音楽知識もないダメ営業マンから、異端のプロデューサーになり、削ぎ落とす技法でミリオンヒット10回を記録。2010年、すべてをリセットしてニュージーランドに移住し、湖畔の森でサステナブルな自給自足ライフを営む。年の数ヵ月を移動生活に費やし、65ヵ国を訪れる。19年、約10年ぶりのリセットを敢行。CO2排出を省みて移動生活を中断。会社役員、プロデュース、連載など仕事の大半を手放し、自著の執筆、環境活動に専念する。21年、第一子誕生を受けて、ミニマル仕事術をさらに極め――週3日・午前中だけ働く――育児のための超時短ワークスタイルを実践。著書に、『自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと』(サンクチュアリ出版)、『人生やらなくていいリスト』(講談社)、『モバイルボヘミアン』(本田直之氏と共著、ライツ社)、『バックパッキング登山入門』(エイ出版社)など。