ダイヤモンド決算報・夏#生活用品Photo:ullstein bild/gettyimages

コロナ禍だけでなく、円安や資材高の影響も相まって、多くの業界や企業のビジネスは混乱状態にある。その状況下でも、苦境を打破できた企業とそうでない企業との間で勝敗が分かれている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は花王、資生堂、ユニ・チャームの「生活用品」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 濵口翔太郎)

ユニ・チャームは売上高が
上半期として「過去最高」

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の生活用品業界3社。対象期間は22年2~6月の直近四半期としている(3社とも22年4〜6月期)。

 各社の増収率は、以下の通りだった。

・花王
 増収率:9.2%(四半期の売上高3871億円)
・資生堂
 増収率:0.4%(四半期の売上高2594億円)
・ユニ・チャーム
 増収率:11.4%(四半期の売上高2172億円)

 生活用品3社は、いずれも前年同期比で増収となった。中でもユニ・チャームは、直前の四半期(22年1~3月)に続いて2桁増収と好調で、22年上半期(1~6月)の累計売上高は過去最高を更新した。

 一方、資生堂は3社の中で見劣りする微増となった。資生堂は21年7月に「TSUBAKI」「UNO」といった低価格帯の日用品ブランド事業を売却し、構造改革を進めている。増収率にもその影響が出ている。

 消費者に長く親しまれてきたブランドを手放した資生堂の業績は今、どのような状況にあるのか。また、ユニ・チャームの好調の要因は何か。次ページで、時系列データを踏まえて詳しく解説する。