親子関係においては、相手から直接「ダメ」と言われていなくても、言われたのと同じくらい強い影響を及ぼすのです。

 さて。

 小学生の頃に覚えた「かけ算の九九」が、大人になっても言えるのはなぜだと思いますか?
 それは子どもの頃、何度も読み上げて、繰り返し覚えたからです。

 親の言葉や態度も、同じようにあなたに影響を与えます。
 親から繰り返し言われたこと、親の態度から影響を受けた「私は○○だから……」は、大人になってもあなたの心に残り続けてしまうのです。

 それが良い言葉なら、まったく問題はありません。
「あなたはできる!」と植え付けられていれば、挑戦する勇気をもらえます。自信がなくなった時に、元気を回復できます。

 でも反対に「あなたは何をやってもダメ」と植え付けられていたらどうでしょうか?
 挑戦する前に「どうせダメだろうな……」とあきらめてしまったり、自信をなくしてしまったりした時には「やっぱりダメだった」とますます落ち込みます。

 私は行動力がないから、私は人づきあいが下手だから、私はうまく話せないから、私は忘れっぽいから、私は要領が悪いから……。
 このように「私は○○だから……」が、自分を苦しめる口癖になっていませんか?

 もしそうなら、まずは自分を苦しめる言葉を「言わないこと」から始めましょう。
 言わないのが難しければ、「私は○○だから……というのは過去の話!」と付け足してみてください。

 そうすることで過去に植え付けられたネガティブな言葉(思い込み)の影響は、だんだん小さくなっていきますよ。

Poche(ポッシュ)
精神科クリニックに併設のカウンセリングルームで10年以上、心理カウンセラーとして勤務した後、独立。現在は人間関係、親子問題、機能不全家族専門カウンセラーとしてメールでのカウンセリングを中心に活動。2021年より悩みを抱える方たちに「気づき」を得てもらうことを目的としたTwitterでの発信を開始すると、1年後の2022年初めにフォロワー2万人超えとなる。メールでのカウンセリング、対面カウンセリングともにいつも予約がいっぱいで、現在も数ヵ月待ちの超人気カウンセラー。@Poche77085714