コロナ禍や自粛生活などの「環境の変化」により、多くの人が将来への不安を抱え、「大きなストレス」を感じている。ストレスを溜め込みすぎると、体調を崩したり、うつなどのメンタル疾患に陥ってしまう。
そんな中、このコロナ禍に22万部を突破したベストセラーストレスフリー超大全』では、著者の精神科医・樺沢紫苑氏は、ストレスフリーに生きる方法を「科学的なファクト」と「今すぐできるToDo」で紹介している。「アドバイスを聞いてラクになった!」「今すべきことがわかった!」と、YouTubeでも大反響を集める樺沢氏。そのストレスフリーの本質に迫る。

精神科医も呆れる「毒親」への4つの対処法とは?Photo: Adobe Stock

「毒親」とは何か

 毒親(toxic parents)とは、「子どもの人生を支配し、子どもに害悪を及ぼす親」のことです。1989年に医療コンサルタント、スーザン・フォワードが作った言葉で、学術用語ではありませんが、現在、日本でも広く認知された言葉となっています。

 では、毒親に育てられるとどうなるのでしょうか。

・対人関係がゆがんだものになる
・自分を愛せなくなる、人を愛せなくなる
・依存心が強く、自立できなくなる
・メンタルがやられる。メンタル疾患を発病する
・離婚率が高くなる
・自分自身も毒親になってしまう

 このように強烈な「毒」の効果があるため、自分の親が「毒親」と気づいたら、その影響から逃れるべきです。

毒親への「4つの対処法」

 自分の親が毒親ではないかと思った場合、注意すべき点は、毒親は程度やタイプが幅広いということです。

 一言で「毒親」といっても、子どもをメンタル疾患にしたり、暴力やネグレクトをしたりする極めて強烈な毒親から、「過剰なお節介」「過干渉」「支配的」といった、程度の軽い「毒親」までさまざまです。重いタイプか、軽いタイプかを見極めましょう。

 詳しくは『ストレスフリー超大全』に書いていますが、過去と他人は変えられません。変えられない他人の中でも、最も変えにくいのは「親」であり、「毒親」となると、より変えられない存在です。

「自分が絶対に正しい」と思い込んでいるので、説得したり、反論すると、逆に火に油を注ぎます。今まで以上に、支配的傾向を強めるでしょう。

「毒親は変わらない」「毒親は変えられない」ということを覚えておいてください。その上で、あなたができる方法をいくつか紹介します。

1 心の防護壁を築く

 心の中に「防護壁」を築き、親の毒(親の考え方、行動の指図、影響)が自分に移らないよう防御しましょう。「自分とは違うけど、この人は、こう考えるんだ」というように、テレビでも見るかのように、客観的に観察することで、「巻き込まれる」リスクを減らせます

 また、自分を責めないということも重要です。こういう状況になったのは「自分のせいだ」と、あなたを責めるような心理攻撃を仕掛ける毒親もいるでしょう。それは、あなたの責任ではなく、親が毒を振りまいているだけであることに気づきましょう。

2 家族以外の人間関係を強化する

 家族との人間関係は重要ではありますが、それがすべてではありません。家族との人間関係に期待できないのであれば、「親友」や「パートナー」との人間関係に「安らぎ」「安心」を求めることは、心の安定に大きな意味を持ちます

 特に、パートナーを作ることは大切です。毒親は「そんな相手とは別れなさい」と妨害してくるかもしれません。パートナーができると、自分の支配力が弱まることを知っているので妨害を強めますが、そこに屈しないことです。

3 家を出る・自分の依存心を断ち切る

 毒親は子どものために、なんでもしてあげようと過保護に接する場合があります。毒親の子は、その親に依存してしまっている場合が多いのです。

 毒親の影響を断ち切る最良の方法は、「家を出る」「親と同居しない」ことに尽きます。親と同居していると金銭面や、家事の負担も楽なので、多くのメリットがあります。しかし、それが依存のはじまりです。

「過干渉な親」は、プラスに考えると「面倒みがよすぎる親」なので、いつのまにか依存関係になっているのです。つまり、毒親から逃れられない原因をあなた自身が作っている可能性もあります

 まずは、そうした自分の「依存心」を認め、断ち切るように考え方を変えていくことです。「大学進学」や「就職」などのタイミングに合わせて「1人暮らし」をはじめましょう。

4 距離を置く

 毒親の影響を受けないためには、距離を置くことです。物理的な距離を置き、心理的な距離を取るのです。そのためには、「家を出る」「1人暮らしをする」ということが必須ですが、実家の近くに家を借りては、意味がありません

 また、親からよく電話が来るのなら、留守電にするか出ないかで、2~3日に1回、精神的に余裕のあるときに出るようにしましょう。「メールやメッセージの返信のタイミングをずらす」「頻度を減らす」など、少しずつ接触回数を減らすことが「距離を置く」ということです。

樺沢紫苑(かばさわ・しおん)
精神科医、作家
1965年、札幌生まれ。1991年、札幌医科大学医学部卒。2004年からシカゴのイリノイ大学に3年間留学。帰国後、樺沢心理学研究所を設立。「情報発信を通してメンタル疾患、自殺を予防する」をビジョンとし、YouTubeチャンネル「樺沢紫苑の樺チャンネル」やメルマガで累計50万人以上に精神医学や心理学、脳科学の知識・情報をわかりやすく伝える、「日本一アウトプットする精神科医」として活動している。
コロナ禍に22万部のベストセラーとなった著書『精神科医が教える ストレスフリー超大全』(ダイヤモンド社)のほか、シリーズ80万部の大ベストセラーとなった著書『学びを結果に変えるアウトプット大全』『学び効率が最大化するインプット大全』(サンクチュアリ出版)など30冊以上の著書がある。