「手放し、効率化し、超集中」するための全技法とは!?
レコード会社時代はヒットメーカーとして、ミリオンヒットを10回記録するなどトレンドの最先端を疾走。音楽プロデューサーとして絶好調の39歳の時に退社して、ニュージーランドに移住。現地の湖畔で、環境負荷を最小限に抑える自給自足ライフを営む四角大輔氏。彼のベストセラー『自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと』は、次世代のミニマリストのバイブルにもなった。
この連載では、四角氏のあたらしい著書『超ミニマル主義』の中から、「サイフ」「カバン」「書類」「名刺」「ウェア」「シューズ」「仕事机」「デバイス」「部屋」「情報」「データ」「スケジュール」「タスク」「労働時間」「ストレス」「人付き合い」などを、極限まで「最小・最軽量化」する方法を紹介していきます。
「前日の夕方どう過ごしたか」と「睡眠の質」が、
翌日のパフォーマンスを決定づける
「1日の始まりはいつ?」こう聞くと、誰もが「朝」と答える。
だが実は、1日は「夕方」から始まる。
「夕方の過ごし方」と「睡眠の質」が、翌日のパフォーマンスを決定づけるからだ。
夕方は心をリラックスさせるための“セルフケアタイム”
ここからは、夕方は心をリラックスさせるための“セルフケアタイム”、睡眠時間は脳と体にとって最も大事な“リカバリータイム”だと考えて、読み進めてほしい。
例えば、アフター5も働いた上に、夜半まで暴飲暴食して寝不足だったとする。どんなにがんばっても翌日の生産性は低い。
「過度なお酒」「夜食」「短い睡眠」が日常化すると、生産性を著しく低下させるだけでなく、ビジネスパーソンにとっての最重要インフラである身体に恐ろしいほどの悪影響を与える。
生産性が高い国々のデキるビジネスパーソンたちは、月曜から木曜は基本、深酒や夜更かしをしない。
「今日は◯時に仕事を終わらせ、
◯時に帰宅し、◯時にベッドに入る」
と計画を固めた上で、出社する
平均睡眠時間が100ヶ国で最短の日本人は、フランス人の8.7時間に対して、6.5時間しか寝ていない(※1)。
明るいライトを放つ深夜営業や自販機が異常に多い「眠らない日本」では、睡眠を確保するには、前倒しでその日の「イブニングプラン」を立てる必要がある。
それをやるのはズバリ、当日の「朝」。
会社に向かう電車で、その日のタスクと予定をレビューしながら、「今日は◯時に仕事を終わらせ、◯時に帰宅し、◯時にベッドに入る」と計画を固めた上で、出社するのだ。
こうすることで、「飲みに行かない?」と誘われても、「すみません。今夜は先約がありまして」と軽快に断れる。
イブニングプランには必ず、
“仕事を完全に忘れられる時間=セルフケアタイム”を組み込む
会社員時代は、通勤時間をON/OFF切り替えの“リセットタイム”として活用。行きは仕事に向けての「ONモード」、帰りは「OFFモード」にシフトするよう工夫していた。
例えば、デスクを立つ時「少しOFF」にして、電車で小説に没入して、仕事を忘れる。帰宅後すぐ玄関でサイフを整理し、翌日の予定と天気予報に合わせて、カバンの中身を入れ替える。
顔と手を洗ってうがいをし、部屋着に着替える。この「身を整えるルーティン」を済ませて、息を吐いた瞬間「気分は完全OFF」になっていた。
こんな日々のルーティンが、ストレス軽減に大きく寄与することがわかっている(※2)。心理学的にも「意識的なON/OFF切り替え」は効果的とされるので、自分のモードをリセットするタイミングを見つけ出し、大事にしてほしい。
そして、イブニングプランには必ず、“仕事を完全に忘れられる時間=セルフケアタイム”を組み込むこと。これは、「あなた自身を癒す時間」であり「自分を取り戻す時間」のこと。心が喜ぶこと、心安らぐことであれば何をしてもいい。
※1 西野精治『スタンフォード式 最高の睡眠』サンマーク出版(2017)
※2 久賀谷亮『世界のエリートがやっている 最高の休息法』ダイヤモンド社(2016)
『超ミニマル主義』では、「手放し、効率化し、超集中」するための全技法を紹介しています。ぜひチェックしてみてください。
(本原稿は、四角大輔著『超ミニマル主義』から一部抜粋したものです)
執筆家・環境保護アンバサダー
1970年、大阪の外れで生まれ、自然児として育つ。91年、獨協大学英語科入学後、バックパッキング登山とバンライフの虜になる。95年、ひどい赤面症のままソニーミュージック入社。社会性も音楽知識もないダメ営業マンから、異端のプロデューサーになり、削ぎ落とす技法でミリオンヒット10回を記録。2010年、すべてをリセットしてニュージーランドに移住し、湖畔の森でサステナブルな自給自足ライフを営む。年の数ヵ月を移動生活に費やし、65ヵ国を訪れる。19年、約10年ぶりのリセットを敢行。CO2排出を省みて移動生活を中断。会社役員、プロデュース、連載など仕事の大半を手放し、自著の執筆、環境活動に専念する。21年、第一子誕生を受けて、ミニマル仕事術をさらに極め――週3日・午前中だけ働く――育児のための超時短ワークスタイルを実践。著書に、『自由であり続けるために 20代で捨てるべき50のこと』(サンクチュアリ出版)、『人生やらなくていいリスト』(講談社)、『モバイルボヘミアン』(本田直之氏と共著、ライツ社)、『バックパッキング登山入門』(エイ出版社)など。