ウラジーミル・プーチン露大統領の部分動員令を逃れようとするロシアの一般市民に対して、近隣の欧州連合(EU)加盟国が強硬姿勢を鮮明にしている。ロシアと国境を接するポーランド、エストニア、ラトビア、リトアニアの4カ国はそろって、兵役逃れを目指すロシア市民に対して亡命申請の対象を拡大することを拒否した。ポーランドとバルト3カ国の当局者はインタビューで、大量のロシア人受け入れで国内の安定を損ねることはしないと言明した。各国政府は、ジョージア(旧グルジア)やクリミア半島などへの過去のロシアの軍事侵攻に長年反対を唱えてこなかったロシア市民に対し、ほとんど同情を示していない。隣国が受け入れを拒否する構えを見せていることで、ウクライナでの戦争に加わりたくないロシアの徴集兵が脱出できる手だてはほぼ消えた。ロシアでは徴集令に従わない場合、最大10年の禁錮刑が言い渡される可能性がある。ロシアはすでに徴集が決まった兵士の出国を禁じた。