「あれ? いま何しようとしてたんだっけ?」「ほら、あの人、名前なんていうんだっけ?」「昨日の晩ごはん、何食べんたんだっけ?」……若い頃は気にならなかったのに、いつの頃からか、もの忘れが激しくなってきた。「ちょっと忘れた」というレベルではなく、40代以降ともなれば「しょっちゅう忘れてしまう」「名前が出てこない」のが、もう当たり前。それもこれも「年をとったせいだ」と思うかもしれない。けれど、ちょっと待った! それは、まったくの勘違いかもしれない……。
そこで参考にしたいのが、認知症患者と向き合ってきた医師・松原英多氏の著書『91歳の現役医師がやっている 一生ボケない習慣』(ダイヤモンド社)だ。
本書は、若い人はもちろん高齢者でも、「これならできそう」「続けられそう」と思えて、何歳からでも脳が若返る秘訣を明かした1冊。本稿では、本書より一部を抜粋・編集し、脳の衰えを感じている人が陥りがちな勘違いと長生きしても脳が老けない方法を解き明かす。
「食後にガム1枚」を習慣にする
【前回】からの続き よく嚙んで血流を増やすといっても、食事は通常1日3回だけです。なかには1日2食の人もいるでしょう。ひと口あたりのそしゃく回数を増やしたとしても、1日2~3回しか嚙むチャンスがないと、血流をアップする効果も限定的になりがちです。
そこで積極的に活用したいのが、チューインガム。私は「転ばぬ先の杖」ならぬ、「転ばぬ先のガム」と患者さんにもよくすすめています。商品によっても異なりますが、1枚(1個)のガムを味がなくなるまで嚙み続けると、そしゃく回数は550回にもなるそうです(1枚3gの場合、日本チューインガム協会のホームページより)。
3食の食後に1枚のガムを嚙むことを習慣にするだけで、1食620回とされている現代人のそしゃく回数を3倍近くに増やせる計算になります。
キシリトール入りなら虫歯も避けられる
続けることが大切ですから、ガムはお気に入りの味でいいでしょう。虫歯の原因となる酸をつくらない甘味料「キシリトール」を配合したシュガーレスのガムなら、虫歯になる心配もありません。
虫歯で歯を失うと嚙む力が衰えますし、『91歳の現役医師がやっている 一生ボケない習慣』で後述しているように、歯の本数が減ると認知症リスクが高まるという研究もあります。
ただし、キシリトールを一度にたくさん摂取すると、体質によってはお腹が緩くなることもありますから、食べすぎ(嚙みすぎ)には気をつけましょう。
※本稿は、『91歳の現役医師がやっている 一生ボケない習慣』より一部を抜粋・編集したものです。本書には、脳が若返るメソッドがたくさん掲載されています。ぜひチェックしてみてください!