ただ話すだけなのに「頑張る」「疲れる」「気を使う」……。日々のコミュニケーションで苦戦苦闘している日々よ、さようなら。これからは、説得しようと力業で勝負する必要はありません。自ら動くのではなく、相手に動いてもらい、自分の思い通りの結果に導けばいいのです。
それを可能にしたのが、大久保雅士著『メンタリズム日本一が教える「8秒」で人の心をつかむ技術』だ。「トップセールス」の実績を持つ「メンタリズム日本一」が生んだ至極のコミュニケーションスキルが詰まった一冊。本書より、徹底的に磨かれたノウハウを一部抜粋し、「口下手で人付き合いが苦手」な人でも今日からすぐできる方法を紹介する。
無意識に相手の話をさえぎる人がすべきこと
人の話を聞くうえで大事なことはたった一つ。「聞くことに徹する」、これに尽きます。
実際、「話をしっかり聞いているつもりでも、話している相手はそう感じていない」と悩んでいる人が多くいます。
「相手の気持ちを受容(相手の気持ちを受け止める)・共感(相手の気持ちを共有する)すること」ができていないからです。
受容や共感をしていなかったことで、「あぁ、この人は私の話を聞く気はないんだな」と思われているのです。
でも、大丈夫です。そういう人は3つのポイントを意識すれば改善します。
1.会話を自分の都合で進めない
1つ目は「会話を自分の都合で進めない」です。
自分の都合で会話を進めると、相手が話したいことに対してではなく、自分が聞きたいことを質問して話の腰を折ってしまうことがあります。
相手「以前から連絡を取っていたお客様にやっと時間を取ってもらえました!」
自分「どんな商品を提案するのですか?」
相手「それはこれから考えます……(連絡が取れたことを聞いてもらいたかっただけなのに)」
自分が知りたいだけの質問では、相手に話を聞いている印象が残りません。まずは、「そうなのですか。よかったですね!」と相手の言葉を受け止め、共感してあげるだけでいいのです。質問自体は会話を盛り上げるうえで重要なものですが、話の腰を折らないように気をつける必要があります。
2.相手の話を要約しない
2つ目は「相手の話を要約しない」です。
相手の話を無理にまとめようとしたり、結論を急かしたりして話の腰を折ってしまうと受容と共感ができません。良かれと思って要約している人も多くいるのです。
相手「使っている携帯電話がけっこう古くて、一日電源が持たないんですよ」
自分「要は、新しいものに替えたいということですか?」
相手「はい。まぁそうなんですけど……」
会話の要約自体は悪いことではないのですが、雑談の中など日常での相手の話を受け止める前にまとめてしまうと、相手には聞いていないような印象が残るのです。
これも「そうなのですか。それだと不便ですね!」と共感してあげるだけでいいのです。
相手の話がまとまっていなくても、たわいもない会話の中では受け止め、共感することを優先すれば効果的です。
3.相手の話を奪わない
3つ目は「相手の話を奪わない」です。
共感が強すぎると、つい自分の話になってしまいます。自分では共感しているつもりでも、相手は自分の話をさえぎられたと感じます。
相手「昨日、家族サービスで遊園地に行ってきたんです。いやぁ、疲れました」
自分「わかります! 私も先週家族と遊園地に行ったのですが、大変だったんですよ!」
相手「はい……(私の話はどこに行ったのだろう)」
共感する気持ちが先走り、「その話、わかります!」と、相手が話し終える前に会話を奪ってしまう「わかるわかる泥棒」になってしまいます。話したくなる気持ちはわかりますが、グッとこらえて「そうなんですか。大変でしたね」と受け止めてください。
「わかるわかる泥棒」は無意識に行なってしまうので気をつけたいですね。
(本原稿は、日々のコミュニケーションがラクになる36のノウハウが詰まった書籍『メンタリズム日本一が教える「8秒」で人の心をつかむ技術』から一部抜粋、編集したものです)