「株は勉強しないと勝てない」という方が圧倒的に多い。そして、やってみた結果、「株はやっぱり難しい」という人がほとんどである。なぜ多くの人が、そう結論づけてしまうのだろうか?

 それは、いろいろな株の本を読んでみたり、日経新聞を隅々まで読みあさったり、チャート分析をしてみたりしても、結局、勝つための手法が身についていないため、勝てないのである。そして「なぜ、こんなに一生懸命勉強しているのに勝てないのだろう」となってしまうようだ。

株は投資家の心理で動いている!

 株は、会社の業績や、新製品開発のニュース、業務提携などの直接的な要因で動くものだ。また、景気動向や政局のニュースなど、間接的な要因でも動く。でも、1番大きく株価を動かす要因は、投資家のセンチメント(市場心理)によるところが圧倒的に大きいのである。

 そして、センチメントで大きく動いたときは、必ずといっていいほど、上にも下にもオーバーシュートしてしまうのである。つまり、この市場の行き過ぎをどう見破るかが、投資家としての腕の見せどころなのである。

 2008年1月22日に、日経平均が752円安をつけたとき、マスコミ各社は止まらない株安について特集を組み、専門家にコメントを求めていた。翌日の新聞各紙も、株安をトップで扱い、識者のコメントが載っていた。どれも、「まだ底は見えない」「もう少し下がるかもしれない」という悲観的なものが多かった。

 私は、特に、証券会社の株式部長や証券系アナリストの意見はまったく信用しないことにしている。なぜなら、彼らは職業柄、自らの株取引を禁止されている人たちだ。人のお金でしか勝負したことがない人たちに、日々刻々と変化する市場のセンチメントや相場観など聞いても、当たるはずがないのである。