イジュム(ウクライナ)】8月初旬の暑さの中、イジュムの葬儀責任者ビィタリー・ボロビー氏(55)は、ウクライナ東部のこの町を二分する川から、膨れあがった2体の遺体を引き上げた。遺体の手が縛られていたことから、同氏は2人が町を占領したロシア軍によって拘束、拷問された上で殺害されたと推測した。ボロビー氏はできるだけのことをして彼らの埋葬を手配し、ロシア軍による5カ月にわたる占領中に死亡した400人を超える犠牲者とともに、この2体の遺体を松林に葬った。イジュムはウクライナ軍によって今月解放された町だ。この集団埋葬地が15日にウクライナ当局によって発見された際、犠牲者のほとんどは身元が不明で、死亡原因も分からなかった。だがそれ以降、住民らの話から当時の実態が明らかになった。この町では夏の間に、ウクライナ軍が迫ったことを受けて拷問と殺害が激化していたのだ。