「モノがぼやけて見える」「視力が下がってきた」「目がかすむ」――気になる目の症状があっても、「まあ、大丈夫だろう」と、そのまま放置していないでしょうか?
目の疾患には、自覚症状がないまま進行して、気づいたときには失明寸前になるものがいくつもありますから、決して油断できません。そこで参考にしたいのが、
『ハーバード × スタンフォードの眼科医が教える 放っておくと怖い目の症状25』(ダイヤモンド社)本書著者はハーバード大学とスタンフォード大学に計11年在籍し、世界的権威の2大科学誌『ネイチャー』『サイエンス』に論文が掲載されたスーパードクターで、YouTubeでは視聴回数100万突破の動画もある人気。本書の噂を聞きつけて全国各地から来院する患者さんが後を立たない眼科クリニックの名医が、放っておくと怖い眼の症状を解説します。
※本稿は、
『ハーバード × スタンフォードの眼科医が教える 放っておくと怖い目の症状25』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。

【『羽鳥慎一モーニングショー』で話題のハーバード×スタンフォードの名医が教える】放っておくと怖い!失明原因トップ「緑内障」“最恐”の3タイプPhoto: Adobe Stock

失明原因トップ!「緑内障」
“最恐”の3タイプ

【前回】からの続き 簡単に、いくつかある緑内障のタイプについて説明しましょう。同じ「緑内障」という名前がつく病気でも、何十年もかけてじわじわと進行するものもあれば、半日以内に治療をしないと、失明の危機にさらされるものもあります。

[1] ほかの病気などの要因がない一般的な「緑内障」
 → 緑内障の患者さんの9割を占める一般的な緑内障
眼圧が上がって視神経を圧迫するタイプが全体のおよそ3%、眼圧は正常なまま、なんらかの要因で視神経がダメージを受けるタイプが97%。どちらのタイプも急激に病状が悪化することはないものの、痛みやかゆみなどのわかりやすい自覚症状がなく、末期まで視野の欠けも実感できないため、定期的な検診で早期に発見することがとても大切です。
[2] ほかの病気によって引き起こされる「続発性緑内障」
 →「虹彩炎」「ぶどう膜炎」などの目の炎症、糖尿病や眼底出血の後遺症など、ほかの病気によって起きる緑内障
緑内障の治療と並行して、原因となる病気も治療することが重要です。
[3] すぐに眼科に行くべき「急性緑内障発作」
 → 目の中を循環している水分(房水)の流れ道が詰まって、急激に眼圧が上がる緑内障
もともと房水の出口が狭かったりふさがったりしやすい人が発症する傾向があります。両目に同時に起こることはほとんどなく、なんの前ぶれもなく、ある日突然発症します。この検査項目は人間ドックにありませんから、事前に発見するためには眼科を受診して検査する以外に方法がありません。

脳の疾患と間違いやすく
失明する可能性が高い発作

急に眼圧が上昇すると、頭痛や吐き気など脳の疾患と間違いやすい症状が現れます。そのため救急外来に行き、眼科以外の医師が緑内障発作の可能性に思いが至らないと、眼科での治療が遅れてしまいます。

「気分が悪いから、少し休んでから病院に行こう」などと考えていると、発作を起こしている間に視神経のダメージが進んでしまい、失明してしまう可能性が高い。「急性緑内障発作」とは、そんな危険な病気です。

「急性緑内障発作」になりやすいタイプの人は、眼科で検査を受けるとわかります。そのため、発作を起こす前に「房水」の流れを改善するレーザー治療をしておけば、急性緑内障発作を起こす可能性は、ほぼなくなります。

緑内障をセルフチェックしてみよう

ここで、簡易的な緑内障のセルフチェック法をお伝えしておきましょう。どちらかの目が見えづらくなっていても、両目でモノを見ていると視野を補ってしまうため、気づきにくくなります。緑内障の可能性をチェックするには、必ず片目ずつ行いましょう。

緑内障のセルフチェック
日常生活で視野異常に気づくことはありませんが、ある程度以上進んだ緑内障は、この検査でわかります。しかし、不自由しないためには、初期の段階で見つけることが重要で、そのためには眼科で「OCT検査」「視野検査」を受けるしかありません。

【『羽鳥慎一モーニングショー』で話題のハーバード×スタンフォードの名医が教える】放っておくと怖い!失明原因トップ「緑内障」“最恐”の3タイプ
[1] 目から中央の黒丸まで20cm離します。
[2] 片目を手で隠して、開いている目で中央の黒丸を見つめます。
[3] 黒丸を見つめたままで、紙面をゆっくりと目の数cm手前まで近づけたり離したりしてみます(ぼやけてもかまいません)。
[4] 砂目の一部に見づらいか、見えない部分があるかをチェックします。

以前紹介した記事のテストと組み合わせると効果的です。

【次回に続く】 ※本稿は、『ハーバード × スタンフォードの眼科医が教える 放っておくと怖い目の症状25』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。ぜひチェックしてみてください!