エネオスPhoto:Diamond

コロナ禍だけでなく、円安や資材高の影響も相まって、多くの業界や企業のビジネスは混乱状態にある。その状況下でも、苦境を打破できた企業とそうでない企業との間で勝敗が分かれている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はINPEX、ENEOSホールディングス、出光興産の「エネルギー」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 濵口翔太郎)

エネルギー3社が超好決算
「原油高バブル」が追い風に

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のエネルギー業界3社。対象期間は22年2~6月の四半期(3社いずれも22年4~6月期)としている。

 各社の増収率は、以下の通りだった。

・INPEX
 増収率:140.7%(四半期の売上高6131億円)
・ENEOSホールディングス
 増収率:59.8%(四半期の売上高3兆5551億円)
・出光興産
 増収率:69.3%(四半期の売上高2兆2047億円)

 エネルギー業界の主要3社はいずれも前年同期比で大幅増収だった。特にINPEXは、前年同期比で約2.4倍とすさまじい増収率を記録している。

 各社の売り上げを大きく押し上げている要因は、昨今の資源高(原油高)だ。原油高は需要家企業の業績を圧迫している一方で、供給側のエネルギー企業を大いに潤しているのだ。

「原油高バブル」に加えて円安の加速がプラスの効果をもたらしたこともあり、3社は利益面でも驚異的な成長を果たしている。

 そんな3社の増収率は、ここ数年でどう推移しているのか。利益面は具体的にどのような水準にあるのか。次ページで詳しく解説する。