広告が多いマンションほど購入は要注意、消費者調査の「衝撃結果」が裏付け写真はイメージです Photo:PIXTA

「新築マンション価格が高騰しているので、さぞかし売り主はもうかっているのだろう」と思うかもしれないが、事実は異なる。価格が高くなっているのは、用地価格と建築費の高騰のせいであり、価格が高い分、供給戸数は減少していて、売り主の販売額は横ばいでしかない。高くなると販売不振になるので、彼らも高くしたいのではない。そんな折に、コロナ特需で持ち家購入検討者が増えたので、売れているだけである。販売価格をなるべく抑えながらも利益を確保するために、売り主はコスト削減に余念がない。それが、複数物件で販売センターを共有したり、モデルルームをVR化したり、竣工した実物売りに変えたりという形で表れている。(スタイルアクト(株)代表取締役/不動産コンサルタント 沖 有人)

売れる物件は
広告をしない

 マンションは広告をしなくても売れる場合がある。例えば、表参道駅徒歩圏の南青山で販売実績がある売り主は、大規模物件の販売直後に広告なしで売り切っている。売れた理由の第一は好立地の希少性であるが、この物件の前に販売した別物件で集客した顧客への直接アプローチに加え、建築計画を周辺住民に告知する白看板(通称「お知らせ看板」)を見て問い合わせてきた顧客などにより、売り切ることができた。

 また、ホームページへの掲載により高倍率がつき、「瞬間蒸発」した物件もある。品川駅徒歩圏の定期借地権のタワーマンションで、敷地は東京都の所有だ。相場が上昇していた中、販売価格はそのはるか前に決められており、いかにも割安な物件となっていた。ホームページには写真1つなく、申し込み方法がテキストで淡々と書かれるだけだった。それでも安ければ飛ぶように売れるのである。