それなら「気にしすぎ」「考えすぎ」じゃなくて、「気になるようなことがあって」「考えてしまうようなことが起こっている」と思っていいのですよ。こんなに悩み頑張ってきたのですから、せめて自分で自分を責めないでおきましょう。

 喜怒哀楽という感情が、色鉛筆だとイメージしてみてください。
 世の中の多くの人が「10色の色鉛筆(=感情)」を持っているとしたら、あなたが持っているのは「100色の色鉛筆」かもしれません。

 青色にも、いろいろあります。
 世の中の多くの人が「ただの青」としか認識しなくても、あなたは「透き通るような青」「目が覚めるような青」「優しい青」などさまざまなものを感じ取るかもしれませんね。
 持っている感情の種類(色鉛筆の本数)が違えば、感じ取るものも、表現するものも違います。つまりあなたと周囲の人では、何か起こった時に感じる情報量が全然違うということです。

 誰かがコップを倒した場面をイメージしてみてください。
 感じる情報量が少ない場合、「あ、コップが倒れたな」としか思いません。事実だけが情報として入ってきます。
 一方、感じる情報量が多い場合、「拭かなきゃ」と思って即行動したり、「手伝ったほうがいいかな?」と考えたり、「私も気をつけなきゃ」と自分事として捉えたり、「そういえば前にもこんなことがあったな」と過去に思いを巡らせることもあります。
 そもそもコップが倒れる前に、「あの場所にあったら倒しそうだなぁ……」と気になって仕方のない人もいるでしょう。

 ここでお伝えしたいのは、あなたが「気にしすぎ」なのではなく、あなたにとって「気にするようなこと」が現実に起こっているということ。
 みんなが「1つの問題点」にしか気がつかないような時にでも、あなたは「5つの問題点」に気がつき「5つの解決法」まで思いを巡らせているのです。「そりゃあ、疲れるなー」と思えてきませんか?

 考えすぎて疲れてしまうのは、あなたの弱さではありません。
 だからこそ「なぜこんなにも疲れるんだろう……」と自分を責めずに、「疲れて当然だ」と自分をねぎらってみてくださいね。
 自分を責めることが減るだけで、今よりも心が疲れにくくなりますよ。