第3四半期が終わったばかりだが、みなさんは取引残高報告書に目を通しだだろうか。筆者と同類なら見ていないに違いない。株は年初から20%、債券は14%下げていることは既にご存じだろう。損失を眺めたところで額が小さくなるわけではないが、我が身が小さくなったようには感じるかもしれない。自分が有能な投資家だという自信を揺るがしかねない証拠はあまりじっくり見ないようにするのは自然なことだ。しかし下げ相場で適切な判断を下すには、できれば無視したい自分自身の問題を認めなければならないことが多い。まず、惰性が選択の一つになり得ることを認識してみよう。米投資信託協会(ICI)によると、株価が最高値まであと少しという水準にあった3月末以降、投資家が株式投資信託や上場投資信託(ETF)から引き出した金額は約800億ドル(約11兆6300億円)だった。