数十年単位での思考に慣れている年金基金業界だが、英国市場が危機に見舞われている中でリアルタイムの緊急対策モードに追い込まれている。通常は安定的な国債相場が急変動したため、多くの英年金基金が追加保証金を差し入れようと資金調達に奔走している。イングランド銀行(英中央銀行)は14日で緊急の国債購入策を打ち切る予定だ。この支援策が終了すれば再びボラティリティー(変動率)が高まるとの見方が切迫感に輪をかけている。イングランド銀は12日、長期国債40億ポンド(約6500億円)余りを買い上げたことを明らかにした。この購入額はこれまでより増えたが、1日の購入上限(100億ポンド)を下回った。英国債30年物の利回りは12日に一時5%台に乗せたが、結局は4.8%で終えた。売り圧力が一時的に収まっているようだ。