開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕……東京・吉祥寺を中心に都内に展開する進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」が、圧倒的な支持を集めている。本稿では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、「子どもの算数力を伸ばすコツ」について特別に一部を抜粋して紹介する。
算数は連動性がある教科なので、ステップを飛ばさない
小学校の算数の延長線上に、中学校の数学があります。算数と数学は、レールが敷かれた1本の道のように連なっているため、小学校高学年の算数の内容が理解できていないと、つまりレールから外れてしまうと、中学校の数学も理解できません。もちろん、小学校低学年の算数がわからなければ高学年の算数もわかりません。
算数の学習で大事なことは、わからないステップを飛ばさないことです。子どもが算数で苦労していたら、今やっているところを繰り返しやらせるより、少し前のステップに戻って「どこでつまずいているか」を把握してください。そして、それを反復学習し、確実に身につけてから次に進むようするのが、遠回りのようでいて間違いのない道です。
とくに小学校の「小数・分数」「割合」「速さ」「場合の数」については、中学受験をしない子どもでも最低限マスターしておかないと、高校受験で苦しくなります。
基礎力となる64項目をマスターする
小学校の算数について、文部科学省のカリキュラムでは、足し算をやったら少し引き算をやり、その後、掛け算や割り算をやっていくというように、広くひととおり教えるようになっています。
しかし、このやり方では、一人ひとりの理解度に合わせるわけにはいかないので、途中でわからなくなる子が出てきます。
一方、VAMOSでは「計算の64ステップ」を用いているので、それぞれの子が、自分のスピードで確実に理解しながら学んでいけます。
たとえば、小学3年生くらいの子が入塾してきたときに、私は、ステップ15の「掛け算(2桁×2桁)」を解いてもらい、できていたらもっと先のステップを、できていなければ戻って、「どこのステップから始めるべきか」を慎重に判断します。
こうして「計算の64ステップ」に従っていけば、算数が苦手な子にはなりません。
(本稿は、『ひとりっ子の学力の伸ばし方』からの抜粋・編集したものです)