「算数が得意な子と苦手な子」問題を解くプロセスに決定的差Photo: Adobe Stock

開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕……東京・吉祥寺を中心に都内に展開する進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」が、圧倒的な支持を集めている。本稿では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、「子どもの算数力を伸ばすコツ」について一部を抜粋して紹介する。

算数の基礎は「約分」にある

75分の20=15分の4」というように、分数の分母と分子を共通の約数で割り、より簡単な分数にしていく計算の手法を「約分」と言います。

 約分の能力が高い子は、「100」という数字についても、「10×10」だけでなく「5×5×2×2」という発想が瞬時にできて、素因数分解が得意になります。

 約分は、さまざまな数の問題を速く解くために非常に重要で、手を抜かずに徹底して身につけさせる必要があります。

約分が速いほど受験算数は有利

 たとえば、「120分の80」というのを見たときに、すぐに「3分の2」とわかる子がいる一方で、まず2で割って「60分の40」とし、もう一度2で割って「30分の20」とし、ようやく1桁の0を消すことに気づいて正解に行き着く子がいます。

 つまり、それだけで3倍の時間がかかってしまうわけです。これでは、とうてい中学受験に勝ち抜くことはできません。

 ちなみにVAMOSでは、「91分の65」というのを見て、ほとんどの子が1~2秒で「7分の5」と答えられます。普段から掛け算や割り算の反復学習を重ねていることで、いろいろな数字の倍数を覚えており、「91も65も13で割れる」とすぐにわかるのです。

 こうしたスピードと正確性は、算数だけでなく、理科の問題を解くときにも大きな武器となります。

 約分に強い子にするために、百ます計算なども活用しながら、家庭で掛け算と割り算の反復学習をさせてください。9の段までではなく、20の段までできるようにしておくくらいの気概でいてください。

(本稿は、『ひとりっ子の学力の伸ばし方』からの抜粋・編集したものです)