70代以上の「高齢者向けシェアハウス」増加、人気の理由と注意点とは写真はイメージです Photo:PIXTA

「シェアハウス」と聞くと、若者たちが身を寄せ合いながら生活する様子を思い浮かべる人も多いはず。しかし近年、定年退職を迎えた70代以上の高齢者たちが共に生活をする“高齢者向けシェアハウス”が、各地にオープンしているらしい。高齢者向け住居の今に迫る。(清談社 真島加代)

入居者同士が支え合う
高齢者向けシェアハウスとは

 ひとつ屋根の下で他人同士が共同生活を送るシェアハウス。敷金や礼金が不要で安く住めるケースもあり、若者の間ではマンションやアパートと並んで、住まいの選択肢として定着している。そんななか、高齢者を対象にしたシェアハウスなるものも登場し、新たな老後の住まいとして注目を集めている。

「一般的なシェアハウスと同じく、高齢者向けシェアハウスに明確な定義はありません。基本的には介護を必要としない高齢者が、複数人での戸建てをシェアする形や、共用部があるアパート型の集合住宅に住む住居スタイルを『高齢者向けシェアハウス』と呼んでいます」

 そう話すのは、一般社団法人高齢者住まいアドバイザー協会代表理事の満田将太氏。満田氏は「高齢者住宅仲介センター」を運営し、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住)の紹介を行ってきたシニア向け住宅のプロだ。

「日本の法律では高齢者が集団生活を送り、介護や食事のサービスが受けられる施設を“老人ホーム”と定義しています。特別養護老人ホームは生活に制約がありますが、サ高住は介護や食事以外のサービスも充実していて入居者の自由度が高いなど、それぞれに特徴があります。高齢者向けシェアハウスは、個人が自由に生活できるのでサ高住に近いですが、自立生活が前提なので介護や食事の提供はありません」

 また、サ高住は家賃が10万円を超えるケースが多いが、シェアハウスはサービスがない分、家賃を安く抑えられる。物件によって金額は異なるが、月6万円前後の家賃で住めるシェアハウスもあるという。