習近平国家主席Photo:Lintao Zhang/gettyimages

「3期続投」で長期体制に
台湾進攻は起きるのか

 10月16日に開幕した中国共産党第20回党大会は、22日の最終日の翌日、習近平総書記の異例の3期続投を決めるのが確実だ。

 長期政権の基盤を固めつつある習総書記が大会初日に行った活動報告で、台湾問題について「決して武力行使の放棄を約束しない」とした発言は、「平和的統一」を基本にする従来の台湾政策を確認しただけのものだが、メディアで「統一のためには武力行使も辞さない姿勢を示した」(NHK)などと伝えられた。

「武力行使」と「武力統一」とは同義ではないのだが、習報告は武力統一を否定しないとも受け取れる表現を使って、“中国流曖昧戦略”を打ち出したかのようにもみえる。

 だが中国自身にとっては武力行使すらもハードルは高い。

 政府、自民党は「台湾有事」を想定した国家安全保障戦略の改定で、防衛力増強を進める構えだが、ここは冷静な判断が必要だ。