米連邦準備制度理事会(FRB)が19日公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)では、高いインフレ率と金利上昇により、米企業の間で経済状況への悲観的な見方が広がっていることが示された。企業関係者は「需要が弱まることへの懸念が高まっている」と指摘した。米経済は全体としては小幅に拡大したが、一様ではなかった。4地区では経済活動が横ばい、2地区では低下となった。FRBは活動低下を報告した地域について「金利上昇、インフレ、供給網の混乱を起因とする需要の鈍化または弱含み」を理由に挙げていると述べた。ベージュブックではまた、労働市場の引き締まりや物価上昇圧力の根強さが示された。ベージュブックによると、一部の企業からは労働市場の引き締まりを背景に、高止まりするインフレと生活費の上昇で賃金が上昇しているとの報告があった。人材確保のためには賃金引き上げが不可欠で、賃金上昇は続くとの見通しが示された。