子育て中の家庭にとって、昨今の遊園地・テーマパークの高額化は気が気でない一大事である。子どもを喜ばせたい気持ちはあれど懐は痛い。そこで筆者が思いついたのが、下町の遊園地「花やしき」である。その満足度を余すことなくお伝えしたい。(フリーライター 武藤弘樹)
高額化が進むテーマパーク、下町の「花やしき」に活路を見いだす
人気テーマパークの人気アトラクションはおそろしいほど長い時間並ばなければならないのが常識であったが、追加でお金をかければ、待ち時間が大幅に短縮できるシステムが広まっている。
USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)の「ユニバーサル・エクスプレス・パス」に続き、今年5月にはディズニーリゾート(「ディズニー・プレミアアクセス」)でも導入され始めた。
購入できる金銭的余裕のある人にはうれしいが、そうでない人にはうれしくないのが有料のプレミアムサービス。導入によって、「ディズニーは“夢の国”ならぬ“金の国”」などとやゆされていたようだが、どうやら経営方針としては客1人当たりの単価を上げていくつもりらしいので、企業としてそこはブレていない。
ディズニーのチケットの価格は徐々に上がってきていて、2022年10月現在で「1デーパスポート」が大人1人につき、7900~9400円である。そこに飲食代やおみやげなどを買って、さらに「ディズニー・プレミアアクセス」まで購入するとなると、仮に4人家族で行ったら一日で、ものすごい金額が出ていくことになる。
人気テーマパークの資本主義化が進んでいるわけで、そこにはさまざまな苦悩や企業努力があるのであろうが、富裕層でない、一消費者にとってはただただ「高い…」の一言である。
一方、東京の下町が誇るレトロなテーマパーク「浅草花やしき」はどうか。先日、めい(8歳)と娘(4歳)の3人で遊びに行ったのだが、これがディズニー経験が豊富なめいをして「また(花やしきに)行きたい」を連呼させるに至るほど大変な好評であり、さらに使った総額は1万円とちょっとであった。
テーマパークの高額化が進む昨今、財布に優しくみんなが楽しい「花やしき」、その魅力を再発見するべく、本稿で改めて花やしきについて紹介したい。
なお断っておくが、筆者はディズニーのアンチではない。ディズニーのプロ精神をリスペクトし、夢の国が提供してくれる夢の時間を喜び楽しむ、ライトなディズニーファンである。