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同じ時間机に向かっていても、しっかり学習内容を理解できる子と、そうでない子がいます。勉強ができる子どもはどんな風に学んでいるのか、気になったことはありませんか?勉強できる子、理解が早い子は無意識に「アウトプット」を行っています。アウトプットできる勉強法とはどのようなものなのか。大人にも有効な“学び方“とは?(心理学博士 MP人間科学研究所代表 榎本博明)

※本記事は『勉強できる子は○○がすごい』から抜粋・再編集したものです。

自分でテストしてみると、弱点を克服できる

 だれもが学校時代に問題集で問題を解く練習をしたことがあるはずだ。算数の問題集で計算問題や文章題の練習をしたり、国語の問題集で漢字の書き取りや文章読解の練習をしたりしただろう。

 それにはテスト対策という意味があるだけでなく、理解を促す意味もある。

 たとえば、算数の問題集で片っ端から問題を解いていくと、整数の計算はほぼ正しく解けているのに、分数の計算は間違いが目立つことがわかったりする。その場合は、分数の計算について、もう一度しっかり学び直す必要がある。数学の問題集で片っ端から問題を解いていくと、方程式の問題はだいたい正しく解けているのに、図形の証明問題で間違いが多いことがわかったりする。その場合は、補助線を引いたりして証明する図形問題について、もう一度しっかり学び直す必要がある。

 このように、問題集などを使って問題が解けるかどうか自分でテストしてみると、学び直す必要がある弱点がわかる。そこを克服すれば、学んだことがらをしっかりと習得することができる。

 模擬テストを受けるのも、自分の実力を知るためだが、それは同時に弱点を見つけるためでもある。体重計に乗って今の自分の体重を知ることで、ダイエットする必要があることを知るのと同じで、今の実力を知ることは、克服すべき弱点領域を知ることにつながる。