「仕事がはやい人と遅い人」の決定的な違いとは？【第4回】

変化が激しく先行き不透明の時代には、私たち一人ひとりの働き方にもバージョンアップが求められる。必要なのは、答えのない時代に素早く成果を出す仕事のやり方。それがアジャイル仕事術である。『超速で成果を出す　アジャイル仕事術』（ダイヤモンド社、6月29日発売）は、経営共創基盤グループ会長 冨山和彦氏、『地頭力を鍛える』著者 細谷 功氏の2人がW推薦する注目の書。著者は、経営共創基盤（IGPI）共同経営者（パートナー）で、IGPIシンガポール取締役CEOを務める坂田幸樹氏だ。業界という壁がこわれ、ルーチン業務が減り、プロジェクト単位の仕事が圧倒的に増えていく時代。これからは、組織に依存するのではなく、一人ひとりが自立（自律）した真のプロフェッショナルにならざるを得ない。同書から抜粋してお届けしている本連載の特別編。「仕事がはやい人と遅い人の決定的な違い」の第4回をお届けする。

まずは仕事を分解し、正しく優先順位をつけてから
カレンダーに書き込む

　第1回では、仕事を細かく分解することの重要性について解説しました。仕事が遅い人は仕事を分解できず、設計図がない状態で仕事を漫然とこなしています。

　第2回では、分解した仕事に優先順位を正しくつける方法について解説しました。多くの人は、期限が迫っている緊急度が高い仕事の優先順位を高く設定します。しかし、それでは重要度が高い仕事が後回しになってしまいます。

　第3回では、優先順位をつけたタスクを、時間的余裕を持たせてカレンダーに書き込むことで、突発的なタスクにも対応できることを解説しました。

　シリーズ最終回となる今回は、より劇的な改善をするために、タスクを実施した後に何をすべきか考えてみましょう。

タスクを漫然とこなしても
劇的な改善は見込めない

　これまでに解説したことを繰り返し続けていけば、余裕を持ってタスクが終わるようになるでしょう。突発的なタスクにも対応できて、仕事に追われるのではなく、仕事を追うことができるようになります。

　しかし、それだけでは劇的な改善は見込めません。なぜならば、こなすべきタスク自体の総数は変わっていないからです。エクセルのショートカットキーを覚えたり、業務改善ツールを入れたりして、一つのタスクにかかる時間を削減するための地道な努力には限界があります。

定期的に断捨離することで
仕事力をバージョンアップする

　毎日仕事が終わったら下図のように予定に対して実績を書き込んで、一日の流れを振り返ってみましょう。それを繰り返すことで、あなたの仕事の足を引っ張っている真犯人が分かります。

　話し好きの上司に毎日30分捕まっているかもしれません。顧客からのクレームが毎日発生しているかもしれません。誰も読まないレポート作成に毎月何日も費やしているかもしれません。まずは犯人を特定して、可能なものから断捨離し、抱えているタスクの総数自体を適切に保ちましょう。

『アジャイル仕事術』では、具体的なタスクの断捨離方法以外にも、働き方のバージョンアップをするための技術をたくさん紹介しています。