中学受験の失敗しない「塾選び」、ブランド塾がいいとも言えない理由合格実績がいい塾が自分や子どもに合うとは限らない(写真はイメージです) Photo:PIXTA

10月下旬から中学受験界では本格的に塾選びのシーズンを迎えます。ノンフィクションライターとして今まで多くの学校や塾関係者・受験経験者に中学受験についてインタビュー取材してきた杉浦由美子さんによると、中学受験の第一関門は塾選び。「大手だから」「合格実績が高いから」といった理由で入塾したものの、家庭の状況や子どもと合わないために苦労する親子も多いといいます。そこで今回は、杉浦さんの著書『中学受験 やってはいけない塾選び』(青春出版社)から失敗例に学ぶ塾選びのコツを一部抜粋紹介します。

他人の評価で何かを選んではいけない

 以前、取材先で建築家からこんな話を聞かされた。「いい鰻は誰が食べてもまずおいしい。しかし、住宅は違います。住む人のライフスタイルや性格でいい住宅は変わってきます。セキュリティを重視したいならタワーマンションはおすすめだし、家への出入りが頻繁ならタワーマンションは不自由ですよね」

 つまり、タワーマンションに住むのがステイタスだと思って選ぶと後から後悔するわけだ。家から外に出るまで10分かかるとして、頻繁に出入りすると、それだけ時間がかかってしまう。塾も同じで、家庭ごと、子どもごとにいい塾は違ってくる。ブランド力がある塾はもちろん優れているのだが、誰にとってもいいわけではない。タワーマンションに憧れて買ったが後から後悔する人もいよう。

 ようは「ステイタス」という外からの評価基準で選ぶから失敗をするのだ。