リシ・スナク氏は今週、英首相に就任すると間もなく、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の心を温めそうな動きを見せた。前任のリズ・トラス氏はガス採掘に用いるフラッキング(水圧破砕法)の英国内での利用を解禁するとしていたが、それを撤回したのだ。スナク氏は26日、首相就任後初の議会で、2019年総選挙での保守党の公約に従い、フラッキングによるガス採掘の禁止を継続すると述べた。とりわけエネルギーを使ったロシアの脅しやコスト高騰によって、世界は2019年から変化している。トラス氏は地元の地域社会の同意があれば、フラッキングを解禁したいと考えていた。フラッキングは保守党を二分する問題だ。なぜなら、一般党員の多くは優雅な地方出身だからだ。デービッド・キャメロン元首相は、フラッキングの認可を試みたものの失敗に終わり、ボリス・ジョンソン元首相は最終的にそれを禁止した。トラス氏はミスが多かったものの、世界的なガス価格の急騰が家計や企業のエネルギー費用の悲劇的な増加をもたらす中で、フラッキングの禁止によって英国が脆弱(ぜいじゃく)になっていることを認識していた。