本当のインフレ率は何％か。経済や金融市場にとって重要な問題だが、意外に答えにくい問題である。8％超、いや3％未満、あるいはその中間など、さまざまな議論がある。物価が全体的にどれだけ上昇したか（ヘッドラインインフレ率）と、各種の一時的要因を一掃した後にどれだけ上昇したか（基調インフレ率）が異なる可能性があるため、この困難が生じる。例えて言うなら、地理的・大気的特性の関数である気候と、多くの一過性の影響を反映する天気との違いのようなものである。「気候は予想するもの、天気は得られるもの」という格言もある。同様に、基調的なインフレはマクロ経済的要因、主に需要と供給のバランスによって引き起こされ、ヘッドラインインフレは多くの一時的なミクロ経済的影響によって振り回される。基調的なインフレは予想するものであり、ヘッドラインインフレは得られるものである。